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イベント報告

特別なことはいらない。子どもと同じ景色を味わう、うれしいくらし

2026年10月3日(土)、奈良おもちゃ美術館で開いた対談イベントで、大阪総合保育大学の宮里暁美先生と大方美香先生が語ったのは、特別なことをしなくても大丈夫、子どもと同じ景色を少し眺めるだけでも季節を味わうことができる、というくらしのヒントでした。

2026.10.19

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「季節を楽しむ余裕なんてない」。忙しい毎日の中で、そう感じている方も多いのではないでしょうか。

2026年10月3日(土)、奈良おもちゃ美術館で開いた対談イベントで、大阪総合保育大学の宮里暁美先生と大方美香先生が語ったのは、特別なことをしなくても大丈夫、子どもと同じ景色を少し眺めるだけでも季節を味わうことができる、というくらしのヒントでした。

『子どもとあじわう、季節のくらし』をテーマに、季節の行事、自然との出会い、家族や地域とのつながりといった視点で子育てを見つめ直す時間でした。

「娘と散歩をしていたとき、虫の声を聞いた娘が『歌を歌っているね』と教えてくれました。」

「現在、親族は遠方に住み、みんなで集まれません。しかし自分が子どもの頃はお正月に祖父母の家で集まって餅を丸める、といった思い出があります」

「子どもが幼い頃、新聞紙を水に浸し、窓ガラスへ貼り付けて遊んでいたことを思い出しました。」

子育ての時間はあっという間に過ぎていきます。「季節を楽しむ余裕なんてない」と感じている人も少なくないと思います。今回の対談では、忙しい子育ての中で、ほんの少し立ち止まり、子どもと同じ景色を眺めてみることの豊かさについてみんなで考えました。

専門家とともに考える、子育ての「今」を味わうヒント

お月見やクリスマス、お正月など、誰もがどこかで経験した季節の記憶。

子どもの頃に家族と食べたお団子、サンタクロースを待ちながら眠った夜、親戚みんなで集まったお正月。大人になって振り返ってみると、その時の匂いや音、家族の表情といった何気ない場面が心に残っています。

子どもといると、世界が少し違って見えます。昼間の月を見つけたり、風に揺れる草に立ち止まったり、虫の声に耳を傾けたり、水に濡れた新聞紙が窓にくっつくことを面白がったり。大人なら通り過ぎてしまうものに、子どもは驚きやよろこびを見つけます。

季節を楽しむために、特別な準備をする必要はありません。月を一緒に見上げる、保育園で作った飾りを家に飾る、季節の食べ物をひとつ、食卓に並べる。その何気ない出来事も思い出として子どもの中に残ります。何年後か、ふとした季節の匂いや景色に出会った時にきっと思い出すことでしょう。

「子育ては、いつもうまくいくわけではありません。だから100点は目指さなくていい。忙しさの中で季節を十分に味わえない日があっても、失敗や反省があっても、それ自体が子育ての価値を損なうわけではなく、できる範囲で、家庭に合ったカタチで、親子の心が少し動く瞬間を見つけること。」

先生方と参加者との対話を通じて、子育ての「今」を楽しむヒントが少しずつ言葉になり、自身を見つめ直す、自分の子育てを肯定できる時間だったように思います。

運営スタッフの気づき 「特別な体験」よりも大切なこと

今年、育休を取った檸檬会のパートナー(※1)が運営スタッフとして参加。イベント後に感想を聞きました。

「平日は仕事があるので、夕食時に子どもとゆっくり会話することが多いです。その後、子どもと三人でお風呂に入り、下の子が寝てから、上の子とたまに散歩へ出かけたりします。特別なことじゃなくていい、という先生のお話を聞く中で、子どもの誕生日のことを思い出しました。

「子どもにこんなことをしてあげたい」と以前からお出かけを計画していたこともあって、帰りの車中で子どもがわがままを言い泣き続けたため、叱ってしまいました。‎‎

そのあと、ほんとに何気ないことで楽しそうにしている子どもの姿を見た時に、「こんなに子どものためにしてあげたのに…」という自分たちの思いが前面に出てしまっていたと気づきました。子どもにとっては、特別なことじゃなくていいんだと反省しました。

また、「今日、楽しかった?」とだけ子どもに尋ねるのではなく、「どう思った?」と、どう感じたかを聞くよう心がけるようになりました。子どもへの質問をひとつ変えてみることで、子どもの内面を知れるとともに、自分がより子どもの世界を知ることができて、一緒に面白がれると思います。

これからしてみたい事としては、ブロックや積み木など人工的なおもちゃだけではなく、季節や自然を感じながら、木の枝や落ち葉を使って遊びたいと思っています。ゼロからつくる体験を通じて、子どもの発想や感覚が豊かになってほしいです。」

※1 檸檬会では職員をパートナーと呼んでいます。

これからも、奈良おもちゃ美術館のイベントスペースでは子育てが抱える課題や、子どもの育ちに関するイベントを開催してまいります。

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